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渋谷カルチャーの明日

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渋谷カルチャーの明日 (TOKYO DANCE MUSIC WEEK / B.P.M. Syndicate)

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-特集- 渋谷カルチャーの明日 《前編》 苦境が続くエンタメ業界、ライブ復活の日に向けて

Naz Chris × Watusi × 近田春夫 × 小泉今日子 4者インタビュー



ー特集ー

2021年、渋谷カルチャーの明日

長引くコロナ禍、
カルチャーの息吹を絶やさないために、世界中はもとより、ここ渋谷でも多くの人たちがそれぞれに努力を続けている。 カルチャーを繋ぎ止めたいと願う人たちの声、そして彼らが見据える未来図とは?

本特集では2021年9月に渋谷で開催されるカルチャーイベントに注目しながら、《渋谷》で《今》できることについて、そしてこの街のカルチャーの《明日》について考える。

こんな時だからこそ、音楽やファッションなど、カルチャーのエネルギー、ワクワクを届けたい。 コロナ禍でもアクションを起こす人たちがいま見据える未来図とは?


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【鼎談】
Naz Chris × Watusi ×
近田春夫 × 小泉今日子

《前編》

苦境が続くエンタメ業界、
ライブ復活の日に向けて


毎年9月9日の週に7日間に渡り開催されるダンスミュージックの祭典「TOKYO DANCE MUSIC WEEK」2019年9月9日に制定された記念日「ダンスミュージックの日」を足がかりとして、当初は国内のナイトライフに活気をもたらすためのイベントを予定していた。しかし、2020年初頭に待ち受けていたのは新型コロナウイルスの感染拡大によるライブやコンサートの中止、延期だった。

突然の自粛を余儀なくされたアーティストたちの活動支援、そして文化の継続と発展のため、本イベントは“文化を止めない”、“音楽を止めない”という思いを掲げ、新型コロナウイルス蔓延により苦境に立たされるエンターテイメント業界の「これまで」と「これから」の架け橋となることを目指すことに。

コロナ禍で初開催を迎えた「TOKYO DANCE MUSIC WEEK 2020」は、コンセプトに賛同した総勢100名を超えるアーティストやスタッフが参加。無観客配信を軸として開催されたわけだが、合計18万人が視聴し、大きな一歩を踏み出すことに成功した。

コロナ禍とともに2年目の開催を迎えるにあたり、今回「TOKYO DANCE MUSIC WEEK 2021」を主催するNaz ChrisさんとWatusiさん、公式連動イベント「B.P.M Syndicate」を主催する近田春夫さん、小泉今日子さんの4名にお集まりいただいた。

まずは、コロナ禍以降に変化した仕事意識・生活意識の変化から、カルチャーを止めないために今日まで行ってきたアクションについて話していただいた。


ロビーイング、ドネーション、署名活動から、安心安全なライブ活動を目指して。

東京都で一度目の緊急事態宣言が発令されたのは、2020年4月7日。このとき、クラスターの発生を避けるようにと「三密」が話題に。その後、音楽に限らず、演劇や伝統芸能などこれまで多くの観客を動員して成り立っていた業界が、コロナ禍を機に従来の形式で活動ができなくなった。Naz Chrisさんは、当時の様子をこう振り返る。

「仲の良い方が経営している渋谷のライブハウスでクラスター報道がありました。そのときの報道の内容は『こんな時期に、ライブハウスやクラブが人を集めている』というもので。ナイトカルチャーをはじめ、エンターテイメント業界へのバッシングが強まったのはこの頃からでしたね」(Naz Chris)

ProfileNaz Chris
ロンドン、デリー、LA経由の東京在住。国内外のメディアで、プロデューサー・DJ・MC・オーガナイザーとして活動。 「COLDFEET」のWatusiと、DJ/プロデューサーユニット「NAZWA!」を結成し、アジアツアーや作品のリリースを行う。ダンスミュージックの現在・過去・未来をアーカイブ、追跡する番組「TOKYO M.A.A.D SPIN」のナビゲーターを務める。国内最多数のDJをエージェントする「DIRTY30 プロダクション」の代表。
http://dirty30pro.com/artist/nazchris/

「エンターテイメントは不要不急である」との認識が広がり、これまでライブシーンを支えていた観客でさえ、自粛ムードに呑み込まれていった。

「しかしエンタメは『生活の中の一つの輪』です。息抜きの場として、ビジネスとして、コミュニケーションツールとして、多種多様な役割を担っているもの。ただの『人が集まる場所』ではないんです」

その後もアーティストたちは、パンデミックによってリアルの表現の場を失いながらも、表現を止めない方法を模索し続けてきた。

そして現在、感染対策防止ガイドラインの策定やライブ会場の入場制限によって、リアルという表現の場が取り戻されつつある。それは会話禁止のライブ公演、オンライン配信などの手法がWithコロナ時代のスタンダードになったからだろう。

この背景には、エンタメ業界に関わるプレイヤーたちの地道な努力があったという。

「これまで長きに渡ってライブシーンを引っ張ってきてくださった先輩たちの力を借りながら、幾度となくロビーイング、ドネーション、署名活動を行いました。近田さん、小泉さん、Watusiさんはもちろん、本当にたくさんの人がライブ活動を安心安全に運営できるようにと、様々なアプローチを考え、届けてきました」

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家にこもり、今まで曖昧にしていたことと向き合った

数々の名曲を生み出し、80年代〜90年代のJ-POPシーンに多大な影響を与えた音楽プロデューサー・近田春夫さんは、自身のライブ活動を通して危機意識が高まったという。

近田さんが最後にライブを行ったのは、東京都初の緊急事態宣言発令の少し前。自身が69歳の誕生日を迎えた2月25日、原宿・クロコダイルでのバースデイライブだった。

「誕生日だったから今でも鮮明に覚えていますよ。ライブの翌日、2月26日から東京のクラブ、ライブハウスに向けた自粛要請が発表されました」

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Profile近田春夫
1951年、東京生まれ。3歳からピアノのレッスンを受けて育ち、慶應義塾大学在学中から内田裕也のバックバンドでキーボード奏者として活躍。1972年に近田春夫&ハルヲフォンを結成。1978年には歌謡曲をロックにアレンジしたカバーアルバム『電撃的東京』で話題を集める。1985年にヒップホップレーベル『BPM』を立ち上げ、『President BPM』名義でラッパーとしての活動を開始。CMソングも多数手がけており、森永製菓「チョコボール」や日本コカ・コーラ「爽健美茶」、TOTO「ウォシュレット」など1000曲以上のCMソングを世に送り出している。またミュージシャン以外にも、雑誌『POPEYE』で「THE 歌謡曲」の連載や、雑誌「週刊文春」での連載「近田春夫の考えるヒット」の執筆、「タモリ倶楽部」をはじめとするテレビ番組への出演など、多岐にわたる活動を行っている。数々のアルバムをコンスタントに発表し、さまざまなイベントに精力的に参加。
2021年 音楽活動50周年、古希を迎えるにあたり、新木場ageHaにて、イベント『B.P.M. Syndicate』開催予定。

https://www.bpmsyndicate.com/

当時、感染対策防止ガイドラインはもちろんなく、感染対策もはっきりとしていない状況だった。近田さんはこの状況を受け、以降のライブスケジュールを全てキャンセル。毎週行っていたリハーサルは、スタジオ環境が3密であることを理由に控えることになる。

「高齢者ほど感染したら危険だと言われていた頃に、著名な方が亡くなって。自分のバンドは高齢者ばかりですから、ライブやリハーサルをキャンセルせざるをえなかった。

 それからは、家にずっとこもっていましたね。その間は普段やらないことをやろうと、本を執筆したり、コンピュータで曲を創ったりしました。今まで曖昧だったことと向き合う時間になったと思います」

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コロナ収束に向けて、プロデュース公演「asatte FORCE」を開催

舞台演出やライブ演出を手掛ける、株式会社明後日の代表の顔を持つ小泉今日子さんもまた、緊急事態宣言によって大きな打撃を受けていた。それでも、持ち前のポジティブさで“今できることを探そう”と表現活動を模索し続けた。

「緊急事態宣言が発令されて、先が見えない毎日が続き、人々は漠然とした不安や怒りを感じて過ごす日々を送っていました。

 会社の仕事は、私が出る側のものも含めて軒並みキャンセルして。だけど、今しかできないことがあるかもしれないということで、10月に本多劇場でプロデュース公演を行いました」(小泉今日子)

Profile小泉今日子
1982年「私の16才」で歌手デビュー。
以後、「なんてったってアイドル」「学園天国」「あなたに会えてよかった」「優しい雨」など数々のヒットを放つ。

女優として映画、舞台などの出演も多数。エッセイなど執筆家としても活躍中。
2015年より自らが代表を務める株式会社明後日ではプロデューサーとして舞台制作を手掛ける。
映像制作プロダクション新世界合同会社のメンバーでもあり、2020年8月28日公開の外山文治監督「ソワレ」にアソシエイトプロデューサーを務めた。

https://asatte.tokyo/

株式会社明後日は、2020年10月1日から10月18日にかけて、さまざま劇団による公演や朗読劇、トーク&ライブなど14の企画が展開されるイベント「asatte FORCE」を開催。

イベントを告知した2020年9月、政府は感染状況のステージを最も深刻な表現から1段階引き下げ、時短営業終了の方針を示していた。“10月にはコロナが落ち着くのかなと思っていた”と小泉さんは当時を振り返る。

「『asatte FORCE』を開催したのは、表現の場を失っている人たち、職を失っているスタッフ、収入を失っている劇場、行き先を失っているお客さん、周りのエンタメ関係者全員のリハビリができればと思ったからでした。創るのは大変でしたけど、無事に開催できて良かったです」

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一本の電話から誕生した、オンラインフェス『MUSIC DON’T LOCKDOWN』

ピンチをチャンスに変えようとする思いは一日たりとも枯れない。その思いが原動力になったのは、音楽プロデューサー・Watsuiさんも同じだった。

「10年前の3月11日に発生した東日本大震災。このとき、僕らミュージシャンは『電気がないと仕事ができない』という現実を突きつけられ、社会との向き合い方を考えさせられました。

自然災害は、足を使って現地での復興支援ができます。でも、今回のパンデミックは何もできないんです。どこにも行けない。演奏もできない。皆さんにお駄賃をいただき育った仕事として、こんなときこそ、何ができるか模索する日々を送っていました」(Watusi)

頭を抱えていたとき、盟友・いとうせいこうさんから1本の電話が入る。分散型オンラインフェス『MUSIC DON’T LOCKDOWN(以下、#MDL)』を立ち上げるために、力を貸して欲しいというものだった。

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Profile:Watusi (COLDFEET) 
Lori FineとのユニットCOLDFEETのプログラマー/ベーシスト/DJ。COLDFFETのユニークな世界観は国内外で評価を受け、世界各国でも数多くの作品がリリースされている。国内では中島美嘉の多くの作品を始めhiro、安室奈美恵などを手がけ、アンダーグラウンドとメジャーを繋ぐ多忙なプロデュース・チームとしても活躍。‘13年より「クラブとクラブカルチャーを守る会」を設立、会長代行を務め風営法改正に尽力、改正後も一般社団法人JDDAを立ち上げ、次世代のナイトカルチャー創設に動く。www.coldfeet.net


「電話に出ると、『今こそ、エンターテイメント業界、俺たちはロックダウンしない!と宣言しなければならない。とりあえず、今週配信しよう!』って言われて。

配信って家からできるの? なんて思いつつ、いろんな人に電話したりネットで調べまくったり、試行錯誤しながらスタートしました」

WatusiさんがNazさんとともにアジア中の友人に声をかけると、#MDLには数多くの著名アーティストが駆けつけた。くわえて、大手電子楽器メーカー・Rolandから音楽配信者向けの機材提供も実現した。

順調なスタートを切れたように思えた#MDLだが、次は、DJ文化と配信文化の間に潜む障壁にぶち当たる。

「インターネットで音楽を配信するとなると、当然原盤権が絡むので、BAN(自動フィルタリング措置)されちゃうんです」

原盤権とは、録音・編集された音源に発生する著作隣接権の1つである。日本では、著作権利者ならびに音楽事務所・レコード会社が所有することがほとんど。

「原盤権って、インターネットのない時代に創られたものなんです。これもなんとかしなきゃいけない。なので、原盤権の大元を管理する日本レコード協会に行ってみたんです。

 『この状況が続くとDJが食えなくるし、いなくなると思う』と熱意を伝えると、すぐに先方も同様の意識を持っていただけ、6ヶ月という限られた期間ではありますが、邦楽を自由に配信に使用していいということになりました」

準備にかけた月日は、なんと1年。原盤権問題は解決できたものの、マネタイズはNGだった。かといって、何もしなければ、DJカルチャーは淘汰されてしまう。ドネーションの有り難みを噛み締めつつ、それからは配信漬けの毎日を送る方向に大きく舵を取る。

「そんな状況が続きながらも、去年からスタートしたのが『TOKYO DANCE MUSIC WEEK』です。コロナ禍になって、褒められることがなくなったエンターテイメント…カルチャーを盛り上げたいと思っています。

今年こそはリアルでも! と思っていたのですが、今年も無観客、オンライン配信が中心です。それでも私たちは、開催することに価値があると思っています」

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>>中編に続く|今こそカルチャーイベントを開催する意義とは?

>> 後編に続く|カルチャーの明日をつくるために

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