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ミラーライアーフィルムズ 山田孝之 × 阿部進之介 × 伊藤主税 × 松田一輝

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ミラーライアーフィルムズ (山田孝之 × 阿部進之介 × 伊藤主税 × 松田一輝)

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-特集- 渋谷カルチャーの明日 《中編》 『MIRRORLIAR FILMS』は日本の映画シーンを変えうるか⁉︎



ー特集ー

2021年、渋谷カルチャーの明日

《中編》

こんな時だからこそ、映画や音楽など、カルチャーのエネルギー、ワクワクを届けたい。 コロナ禍でもアクションを起こす人たちがいま見据える未来図とは?


Interview By Rui Konno
Photography By Sakiko Adachi
Direction By PROJECT ONE

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【座談】

山田 孝之 × 阿部 進之介
伊藤 主税 × 松田 一輝

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“鏡をも騙す”という意味で、“MIRROR”と“LIAR”。“俳優”というのはこういうことだ、と。(山田)

―あのドキュメンタリーでも撮影風景が映ってましたけど、本編には名前しか出ない山田さんが差し入れのお菓子を持って見守ってる様子とか、違和感がすごかったですよね(笑)。

伊藤:(笑)。映画ってできたものはもちろんですけど、できるまでの過程が本当に大切で、そこにすべてが詰まってるんです。ああして喧嘩もあったり、ああだこうだとやってることを知ってもらうことによって、映画づくりの面白さとか映画文化の良さとか、関わってる人たちのことをもっと認知してもらえたらなって想いはありますね。

阿部:『デイアンドナイト』で孝之と主税さんの絆が生まれたし、作品をつくっていく上での楽しさも課題も感じてました。そのエネルギーがあった中で松田さんが入って、わーっと進んでいった感じでしたね。

山田孝之(以下山田):すみません、遅くなりました。

阿部:あ、来た。

―よろしく、お願いします。

山田:山田です。よろしくお願いします。

―すでに結構、ミラーライアーの成り立ちをみなさんにうかがったんですが、山田さんがいらっしゃったところで、改めてこのネーミングの意味を伺っても良いですか?

伊藤:これはなかなかいいアイデアが浮かばなかったところに、突然山田さんに降りてきたんですよね。

山田:ちょうど僕が映画の撮影でハワイに行ってた時ですね。英語を喋らないといけない役だったんですけど、その時部屋で鏡を見てて。鏡ってこう……写すわけじゃないですか? 俳優って中身から変えて役になるので、そこには、自分の本来の表情じゃないものが映ってるなって。それで、“鏡をも騙す”という意味で、“MIRROR”と“LIAR”で。

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―役者の言い換えという感じですか?

山田:“俳優”というのはこういうことだ、と。

―先日の舞台挨拶で、関根さんは「デジタル周りやグッズを担当しています」と仰ってましたが、今日いる4名の役割も分担されてるんですか?

山田:その時々で変わりますけど、みんなプロデューサーだから大体みんなでやってます。公開する作品の選定とか、並びを決めたりとかも。

伊藤:監督のお誘いや声掛けとかは山田さん中心でしたけど、基本はみんなで、ですよね。

山田:だから、あんまり分担はないですね。

伊藤:製作委員会っていうのがあるので、「今はこういう進行ですよ」っていうのを月に2回くらいは集まって報告してます。

松田:グループラインがあって、そこでも常に共有してます・

山田:動かない日はほぼ無いですね。特に、『MIRRORLIAR FILMS Season1』の公開が始まったのもありますし。

伊藤:大きな役割というのは無いけど、製作委員会の中でも僕は配給とか宣伝とかをやることが多いです。『ミラーライアーフィルムズ』の方針とかコンセプトに沿って。企画を成功に導くための指針を立てるっていうのはここ(山田さん、阿部さん)で主にやってるかな。

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阿部:ざっくり言うと、デザインとかクリエイティブ寄りの部分は僕と孝之が話すことが多いかもしれないです。例えば松田さんなら自身が強い10代のカルチャーやSNSとかそっちの要素が大きいので、そういう部分で提案をもらったり。

得意な分野を得意な人が補完していくっていう、フレキシブルなスタイルですね。

伊藤:そうですね。阿部さんは、クリエイティブの面とか周りの映画業界や俳優業とのバランス、ミラーライアーのバランスを冷静に見て考えてくれたり。松田さんは僕らが知らない分野の人たちを連れてきてくれたり、宣伝展開で繋げてくれたりしてます。

山田:でも今日のこの(インタビューの)場は阿部ちゃんが持ってきてくれてるしね。

―だいぶフラットですね(笑)。知名度がある分、俳優であるおふたりの動きが目立ちそうですけど、裏方もフロントマンもごちゃごちゃになってるのが面白いです。

山田:もはや、その裏とか表っていう自覚すら無いですね。これに関して、僕と阿部ちゃんはプロデューサーとして入ってるので。プロジェクト自体にだって、ベテランもいれば初めて監督する人もいるし。そもそも「境界線(ボーダー)を疑え」って言ってるくらいですからね(笑)。

“叫びだ”とはよく聞きます。「クリエイターたちの叫びを見た」、と。(伊藤)

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―みなさんがこのプロジェクトに携わっていて、印象深かったエピソードがあったら教えていただけますか?

伊藤:僕はさっきも言った、増田くんが山田さんに映画をつくったって、見せてくれたことかなぁ。

松田:僕は山田さんと阿部さんがワークショップをやった時、「自分たちが教えることじゃない」と言って、選ばれた子たちと一緒に実際に演技をしてたじゃないですか? その距離感を提供してることに感動しました。今まで、この業界でこんなことあった!? っていう光景を目の当たりにして。

―そういう試みもされてるんですね。

阿部:お題があって、“こういう動画を送ってください”って公募して、その中から良いなと思った人たちを招いて、僕らと一緒にワークショップをやったんです。僕らも探りながら共有すると言うか、「僕らはこういうことをやってるよ」、ってのを孝之と僕でやって。

松田:その日、長かったですよね。6、7時間くらい?

伊藤:そのあとご飯まで行きましたよね(笑)。そこまでを経験できることってなかったよね、って。あれって最初は演技のワークショップだったけど、最終的に表現の探究みたいなことになっていってましたね。

山田:ずっと動いてて、形をどんどん変えてるからね、ずっとこれ! じゃなくていいなって。『ミラーライアーフィルムズ』に関して言うと、もともとミラーライアーが俳優の発掘、育成を目的としてつくったサービスなのでワークショップとかをやってましたけど、参加しようとしてくれる人の意識が低いのか、高いのかも分からないから、「本人たちに動いてもらうしかない」って映像を募集することになったんです。俳優だけじゃなく、クリエイターの発掘・育成ということでやってるので、1番はそこですね。

―確かに、意欲的かどうか、それが一番わかりそうですもんね。

山田:今はTikTokerとかYouTuberもいるし、せっかく映像をつくれる人がいっぱいいるので。そこでチームをつくれば脚本を書ける人も出てくるし、劇作品をつくっても良いんじゃない? って。育成って言っても僕らが育てるわけじゃなくて、それをやることで自分たちも育っていくし、気づきも生まれる。だから、一緒に育つという感じですね。

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伊藤:著名な俳優の方が監督として、実績ある監督たちと並んで参加して、そこに新しい才能も加わって舞台挨拶にみんなで立っているイメージを最初からみんなが共有してたはず。それが(9月の)17日に現実になったワケなんですけど、そこだけはずっと言ってましたね。境界線だとか、インディーズだとかなんて気にせず、自己表現できるというのは素晴らしいことだと思います。

―境界線という意味では、実際にSeason1を拝見して、単館上映で盛り上がりそうな荒削りなものと、全国ロードショーレベルのものが、並列になっているのが新鮮でした。そういうバランスは最初から意図していたんですか?

山田:勝手に育っていったんですよね。委員会は10人以上いますけど、応募作品が419あった中で、そこにみんなで点数をつけていくっていうやり方を取って、結果的に票が多いのが上映作品になったんです。

松田:1人の意見で決まるっていうことが無いですね。基本、総意のもとで。

山田:あとは並びのバランスとかを話し合うくらいで。最初に伊藤さんがこんな感じでどうですか? って2パターンくらい提案してくれて、「ここはちょっと変えた方がいいんじゃないかな?」くらいで。

―419作品もあると、やっぱり票は分かれるものですか?

山田:やっぱり、それぞれ好みがあるので。それは観る人もそうで、それが良いなと思ってます。この俳優さん、この監督、この原作っていう風にターゲットを絞って見にいくのも良いんですけど、そこにあるのは自分の好みに合っていたかどうかの2択なので。だけど、こういう何が出てくるかわからない9作品を観にいくと、「あれが好き」だとか、「あれは理解できない」とか、そういう発見の場になるじゃないですか? 観に来た人も発掘できると言うか。育成もそうですよね。過去の作品を観続けることって、育てることにもなるので。つくってる側も発信側も、受け手も、全部発掘・育成ですね。

―2時間で9作品というのはなかなか無いですからね。次に何が来るのか、本当にわからない(笑)。

伊藤:「怒涛のように作品が流れ込んでくる」という感想が多いみたいです。

山田:集中してるからそういう感想になるんだろうね。普段、広告なんかはこの何倍もの量が入ってきてるのに、構えて観てないからそうならない。劇場にはみんな、集中して受け取りに行くから。「うおぉ!」って。

松田:短い中にも圧倒的に内容が濃かったり、熱量があったりしますしね。

伊藤:“叫びだ”とはよく聞きます。「クリエイターたちの叫びを見た」、と。「短編映画を映画館で観るっていう文化がまだないので新鮮だった」とかも。それで、まだまだチャンスがあるなというか、観るのが当たり前になっていけば新たな発見とか新しい人たちの取り込みにつながっていくなと思いました。さっきの製作の体制についてもちょっとお話ししましたけど、今回ミラーライアーチームが一番意識してるのがクリエイターの分配です。普通、映画のギャランティってのが生まれても、例えば俳優部とか照明の人とかにはロイヤリティとか手数料ってのがなかなか落ちないんです。

山田:仕組み的にメインのキャストとかは二次使用料として、配信とかDVDになったりしてから本当に数%だけ入ったり、あとは監督には作品印税とかが入ったりしますけど、基本的にはその映画(の興行収入)が40億いこうが、50億いこうが、クリエイターには入らないんですよ。それをちゃんと分配していこう、という。労働基準に関してはさすがにまだ予算も少ないので、「2、3日は寝れないけど短期集中で頑張ろう」って(笑)。


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