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石川涼 株式会社せーの 代表取締役

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石川涼 ( 株式会社せーの 代表取締役)

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1)現場・実践から学び続け、独自の成長を続ける 石川氏の仕事術とは?


INTERVIEW (1/3)

現場・実践から学び続け、独自の成長を続ける
石川氏の仕事術とは?


Photography By Yuichiro Nomoto
Direction By PROJECT ONE



PROFILE
石川涼

1975年生まれ、静岡県出身
株式会社せーの代表取締役

2000年起業。
2004年ファッションブランド「VANQUISH」創設。
2010年ジャパンファッションウィーク(JFW)に109ブランドとして史上初めて参加し、コレクションをショー形式で発表。

時を経て2016年、Instagramから始まり世界から
注目を集めるコンテンツ「#FR2」の仕掛け人。
Instagram: https://www.instagram.com/fxxkingrabbits/

WORKS




前 編


《お仕事について 》

デザインやブランドの世界観で心がけていることがあれば教えてください。

僕らは、自分たちのクリエイティブで勝負するというより、マーケットをよく見て、足りないものを創っています。ブランド創りやデザインで特に心がけているわけではないけど、23年間やってきて、一度たりとも「俺のクリエイティブどう?」みたいなスタンスでいたことはありません。例えばギャル男くん達を狙うなら、彼らの熱狂の渦に参加できるものを創る。なので、僕らが創るブランドの世界観は、ターゲットによってすべて違っています。

25歳で独立されたわけですが、それまではOEMで働かれていたんですよね。

そうですね。20世紀は、流行色など業界がトップダウンで決めていました。それにずっと違和感を覚えていて。それからインターネットの時代が訪れ、“作られた流行”ではなく、“お客さんが支持するものこそが流行”となる時代に変わった。そこで、自分が抱えていた違和感は間違っていなかったと確信しました。

独立されたきっかけを教えてもらえますか?

何も考えてなかったんですよ。なのでとくに野望もなかったんですけど、強いて言うなら、服が好きだったからかな。高校を卒業してすぐに販売員をやっていました。販売から生産などの裏方に興味が移り、20歳で上京しOEM会社に就職しました。その後OEMで独立しましたが、独立とは言え、下請けなので、取引先に振り回されるのが性に合わないことに段々と気づき始めて。自分たちの柱を創りたいなと思ったんです。

どうせやるんだったら売れた方がいいし、新しいことをやって時代を変えたいなって。その頃は裏原が全盛で、みんなが同じような服を着ていました。だから、それだけはやらないぞって決めていました。

石川さんが手掛けるブランドは所謂「マーケットイン」で創られていると思うのですが、ブランドを立ち上げる前からマーケティングの勉強などされていましたか?

勉強はまったくしていませんでした。ただ、毎週土日は渋谷から原宿まで歩いて街を観察していましたね。2004年だったかな。それまで急激に増えた裏原系ブランドが少なくなってきて、原宿ブームに陰りが見えてきたんです。なんなら渋谷のギャルの方が元気だなって(笑)。

下請けから抜けたい、業界の違和感、やるからには売れたい。それで街を観察する。
それが今の石川さんのスタイル(街や現場の観察)の礎になっているんですね。

それまでのメンズマーケットって、高くて数が少ないモノが良しとされていましたが、109を見ていて、人気ブランドがあんなに安いのに、ギャルのお客さんにはステータス感がちゃんとあって、低価格なのにメゾンと関わらない扱いを見た時に、安くてもブランド化できるんじゃないかと思いました。

そんなブランドがメンズマーケットにはなかったので、109のメンズ版をつくったら売れるなと思ったところから、2004年に『VANQUISH(ヴァンキッシュ)』を始めました。

そしたらこれが思いのほか売れちゃって。2010年に海外進出を目指すことになって「東京コレクション」に参加し、海外戦略を立てるようになりました。

それから、2014年に『#FR2 (エフアールツー) 』を始めるんですけど、今度は街をみて、渋谷中心の時代じゃないなって。海外からの観光客が年間3000万人にのぼる勢いで増えていたんですけど、渋谷に来る外国人はみんな写真を撮っていました。でも原宿に行くと、外国人はみんなショッパーを持っていたんですよ。次のマーケットは渋谷じゃなくて原宿だと感じましたね。

当時のVANQUISHの売上的にも、会社の次の一手を考えられていましたか?

チャレンジしないと会社が潰れてしまうような危機感がありましたね。僕らが信じてやってきた「安くてもブランド」は、UNIQLOやZARA、H&Mなどのグローバルブランドの成長によって満たされてきていました。そこには勝てないってすぐに分かったので、次は「高くてもみんなが欲しいもの」「日本に来たら欲しくなるもの」として#FR2を立ち上げ、原宿に店舗をおきました。

#FR2は日本人向けブランドではなかったんですか?

そうですね。VANQUISHの成長過程でアジアを代表するブランドになりたいと思っていたので、今までにないブランドの創り方を意識していて。当時、他ではほぼやっていなかった日本語や漢字を多用したプリントだったり。また、アジアのマーケット全体を見ると「お土産文化」は世界的に根づいていることがわかったので、#FR2はお土産を買うのと同じ感覚で買ってもらえるような工夫をしています。

#FR2は昨年「#FR2GOLF」でゴルフウェア市場にも参入しましたよね。

最初は#FR2の名前を使う予定はなく、完全な新ブランドとしてスタートする予定だったんです。でも、マーケットを調べていると、8:2のオジサン:若い女の子の構図が見えたんですよ。2割の女の子たちに気づいたとき、#FR2の名前を使ったら早いなと思ったんです、その層の認知は取れているので。だったら、おじさんたちが2割の女の子たちに「#FR2GOLF 買えたんですね」とか「#FR2GOLF 着てるんですね」って言われる環境を創れば一気に売れるんじゃないかって思って。


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中編はこちら

・どういう環境を創りましたか?
・現場で観察しながらずっとトライアルしている感じですか?
・パーソナル質問
etc…



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